会社設立コラム

会社設立 の準備 法人の印鑑はいくつ必要か

法人印鑑

会社設立 をする際には、法人登記はもとより、その後の様々な手続きや契約に備えて印鑑を用意しておかなくてはなりません

ただし、法人印鑑の存在はなんとなく知っていても、それぞれがどういう目的で使うのか、詳しく知らない方もいるでしょう。

そこで、今回は法人印鑑について解説いたします。是非、会社設立の準備に役立ててください。

会社設立に必須の印鑑とは?

会社設立に際して、必要な印鑑の数は実は1つです。

その絶対に必須なものは、「代表印(会社実印)」です。なぜなら、この代表印は、会社を設立する時に法務局へ届け出なければならないからです。

代表印が押されている書類は、会社の正式な意思決定に基づいて捺印したものとして扱われます。法的に届け出た印鑑であることから、認印よりも有効性を立証しやすいのです。(個人で言うところの実印と同じです。)

つまり、全ての手続きや契約・申請などに使えるので、これ1つでも会社設立は問題ないのです。

ただし、全ての書類に代表印を使用するのは現実的ではありません。悪用されるリスクも高まるので、複数の印鑑を用意するのが一般的です

そのため、会社設立の際には最低でも下記の印鑑を用意しておきましょう。

  • 代表印(会社実印)
  • 銀行印
  • 角印

各法人印鑑の役割

(1)代表印(会社実印)

代表印は会社実印・法人実印・丸印などとも呼ばれ、法務局での会社設立手続きの際に、登録をするものです。

会社にとって大切な印鑑ですから、厳重に保管するべきです。使用は重要な契約や官公庁への書類などにのみに限定し、日常業務では使わない方が良いでしょう。

なお、代表印は18㎜の丸印がよく用いられますが、実際は丸でも四角でも構いません。

  • 一辺が1cmを超え、3cm内の正方形に収まるもの
  • 照合に適合するもの

上記の条件を満たしていれば形状は自由です。代表印は丸で、社印は四角なのは慣例でしかありません。

なお、代表印には会社名を入れる必要もありません。ただし、信用にも関わることなので、会社名を入れておく方が良いでしょう。

(2)銀行印

銀行印は、銀行届出印・金融機関届出印等とも呼ばれますが、取引口座を開設する際に、金融機関に届け出るものです。

預金の払い出し、小切手や手形の発行にも必要となるので、銀行印も重要な法人印鑑の一つです。

前述したように代表印は法務局での登録の際に必須ですが、その代表印を銀行印として登録することも可能です。ただし、代表印と銀行印が同じものだと、印鑑を紛失した場合に、会社としての意思決定と資金管理が両方できなくなってしまいます。

また、会社代表印は極めて効力が大きいものなので、銀行印と同じにしてしまうと悪用されるリスクが高まってしまいます

お一人で手続きを行っているうちは代表印と銀行印を同一のものにした方が楽でしょうが、様々なことを考慮すると、やはり別々のものを用意するべきです。

なお、会社銀行印に寸法規定はありませんが、代表印と比べて小さめに作られる場合が多いです。

(3)角印(社印)

角印は、日常業務に多く使われるもので、社印とも呼ばれます。

通常取引の領収書、見積書、請求書など、実印を押すレベルではない書類に使用します。ただし、契約書に角印を押印した段階でその契約は有効なので、社員の誰もが使える状態にしておくのは避けましょう。

こちらも決まった形はないですが、四角い形状を採用している場合が多いです。

法人印鑑の登録方法

法人の印鑑登録は、印鑑届書を法務局に提出します。会社設立と同時に行う場合が大半なので、登記の申請と同時に提出すると良いでしょう。

場所は営業所のあるエリアを管轄する登記所で行います。該当の登記所は、法務局のホームページで確認してください。

印鑑届書には、会社商号・印鑑を提出する方の氏名に加え、印鑑提出者の個人実印を捺印します。また、印鑑提出者の印鑑登録証明書(発行後3カ月以内)も添付しなければならないので、前もって取得しておきましょう。(この印鑑登録証明書は登記申請の際にも使用します。1枚の印鑑登録証明書で登記申請・法人印鑑登録の両方に援用できます。)

なお、法人が実印登録すると、会社設立の登記完了後に「印鑑カード」が発行できます。法人印鑑証明書の発行のためには印鑑カードが前提となるので、事前にカードの交付申請を忘れずに行いましょう。(会社名義の銀行口座を開設する際、法人の印鑑証明書を提出することが求められます。)

まとめ

ご説明したように法人印鑑も種類がありますが、役割は異なります。

実務的なことを考慮すると代表印・銀行印・角印を別々に用意しておきましょう。


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執筆者紹介

眞崎 正剛
眞崎 正剛税理士眞﨑正剛事務所 社会保険労務士法人眞﨑正剛事務所
東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。

慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」