会社設立コラム

会社設立 時に税理士は必要か

税理士

会社設立 時に税理士は「必要かどうか」。

このテーマは、これから起業する方はもちろん、個人事業の法人化を検討している方にとっても、重要な問題です。このことについては、「経営者様の考えによる」としか言えません。

というのも、会社設立の手続きや法人化後の税務処理など、様々なことを自身で対応できるのであれば、税理士と契約する必要はないからです。

ただし、『全部自分でやるから大丈夫!』と思っていても、実際にはあまり上手く行きません。なぜなら、これらのことには専門知識や経験が必要で、手間もかかるからです

お金は取り戻すことはできますが、失った時間は取り戻せません。本業を疎かにして、法人化の手続きや税務に時間を取られるのは、ビジネスの観点から言えばナンセンスでしょう。

プロに任せる最大のメリットは、時間の節約です。プロに任せれば、本来の業務に集中しながら、諸々の手続きが完了していきます。そういった意味でも、会社設立時に税理士を雇うことには非常に有効と言えるでしょう。

会社設立時に税理士から得られるメリット

(1)会社設立手続のサポート

会社設立では、定款の作成・資本金の払い込み、設立登記など、多くの手続きがあります。

これらの手続きは経営者様自ら行うこともできますが、大抵の場合、調べながらになるので、労力と時間が大幅にかかります。本業もある中での、面倒な作業は多大な負担となってしまいます。

税理士事務所には、会社設立サポートを専門に行っている所もありますので、依頼すれば、全ての手続きを迅速に完了してくれます

なお、事業を行う上での許認可の申請は行政書士、会社設立の登記は司法書士の独占業務となり、税理士が代行することは本来できません。

しかし、税理士事務所には多数の資格を保有していたり、他の士業と連携してワンストップ・サービスを実現している事務所も多くあります。そのような事務所であれば、設立の手続きも問題なく進みます。

(2)資金調達のサポート

事業開始と共に会社を設立する場合、ある程度の資金が必要になります。小規模の事業なら自己資金で足りますが、大抵は融資によって不足分を補わなければなりません。

起業したばかりでは事業の実績がないので、日本政策金融公庫の創業融資を利用するケースが大半ですが、ここでも税理士のサポートが重要になってきます。

というのも、融資を受けるにも事業計画書や面談での説明に説得力が求められます。いい加減な内容では、融資審査に通りません。

銀行員の立場で考えていただければわかると思いますが、創業間もなく、実績がない方からの融資の申請の場合、どれくらい説得力のある説明ができるか?が大事です。

税理士は会計や税務の専門家のため、質の高い資金繰りや返済の計画を立てることが可能です。公庫にパイプを持っている税理士も多いので、サポートを受ければ審査通過率は格段に上がるでしょう

確実に融資を成功させたい場合は、税理士に相談すべきです。

会社設立後も税理士から得られるメリットはたくさんある

(1)複雑な税務関連書類の作成や決算の代行

個人の場合、税務手続きはそこまで複雑ではありませんが、法人の場合は難しくなります。法人対象の会計ソフトもありますが、操作が難しく、何より専門知識がないと処理に時間がかかってしまいます。

経理専門の人材を雇うにも、それ相応の人件費がかかります。

そのような場合、経理のプロである税理士事務所に依頼することで、時間も費用も大幅に抑えることができます。決算業務も問題ありません。

また、契約によっては毎月の財務状況と経営成績を報告してくれます。現時点の利益や原価率、キャッシュなどを把握することにより経営の改善点などが明らかになるので、事業運営に役立ちます

(2)経営や会計・ファイナンス面でのアドバイス

はじめて会社設立を行う場合、経営や会計・資金繰りについてのノウハウが不足した状態でスタートするので、不安が付き纏います。

そんな時でも頼りになるのが、税理士です。

税理士の中には顧問契約を結ぶことによって、節税のアドバイスや財務面からの経営アドバイスをしてくれる場合もあります。客観的かつ理論的な助言をもらうことによって、事業が成功する確率も上がるでしょうし、不安も和らぐでしょう

(2)税務調査への対処

法人の場合、個人と比べ税務調査が入る確率も高くなります。調査員がきた場合は、質問事項にきちんと説明しなければなりませんが、なれていなければ難しいでしょう。

正しい対処ができなければ、追徴課税という形で、高額の税金を支払う可能性もあります。

この場合も、税理士ならある程度のリスクを回避できます。税務調査が入ったときにも、税理士が同席して直接説明してくれるからです

まとめ

会社設立時に税理士は必ず必要というわけではありません。報酬も発生するので、ご自身で全て迅速にミスなく対応できるのであれば、雇わなくても良いのです。ただし、説明した通り、税理士がいることによって様々なメリットが得られるのも事実です。

手続きが楽になるだけでなく、資金繰りのサポートや、設立後のサポートも受けられるので、トータルで見ればお得なことがたくさんあるのです。

多くの観点から、税理士が本当に必要かどうか十分に検討してみてください。


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執筆者紹介

眞崎 正剛
眞崎 正剛税理士法人大田原・眞﨑事務所 相模原支店 代表税理士 社会保険労務士
東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。

慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」