会社設立コラム

会社設立 の重要事項である株主構成について①

株主構成

- 会社設立 の際の株主構成は安易に決めないこと -

株式会社の会社設立には「誰がどれだけ出資するか=株主構成」を決めなくてはなりません。お一人での会社設立の場合、融資などを利用してご自身で出資金の全額を賄えば良いですが、複数の方共同で創業を行う場合は注意が必要です

と言うのも、株主構成は会社の決定において重大な影響を及ぼすからです。安易に決めてしまうと、多大なリスクを抱えることになります。

株主とは

株式会社の設立には、出資者から出資金が払われ、そのお金が会社の資本金となります。

出資金を払った方は会社設立時の「株主」となります。この時、出資額の割合から株主構成と株式持分比率が決まります

ここで注意すべきは、株主の権利です。誰もが抱くイメージとしては、株式の数に応じて会社の利益の一部を配当としてもらえる権利ですが、それだけではありません。

株主は保有する株式数に応じて「議決権」を持ちます。議決権とは、株主総会で意見を言ったり重要な決議で投票することができるものです。議決権の内容は持ち株比率に応じて異なりますが、株式を過半数持っている場合は、取締役の選任と解任ができてしまう程の影響力を持ちます

そのため株式会社の設立においては、過半数(50%超)という株式持分比率は非常に重要なボーダーラインとなります。

持株比率による権利の違い

株式の保有数によって、株主の権利は以下のように変わります。

(1)持株比率100%

会社の意思決定を全て自分の意志で決めることができます。

一人で会社を興した場合は、最初は持ち株比率100%となるでしょう。

(2)持株比率が総数2/3以上

株主総会の特別決議を一人で行うことができます。

特別決議は会社にとって特に重要な事項を決議するもので、取締役の解任や定款の変更、事業譲渡や合併などが該当します。

会社の方向を左右する重要な決議なので、単独で経営を行っていく場合は、この2/3以上の株数を保有したいところです。

(3)持株比率が総数1/2を超える

株主総会の普通決議が可能です。普通決議とは特別決議よりも重要度の低い事項を決定するものです。

前述した2/3以上の株を保有する株主と違って、特別決議を単独で通せません。

(4)持株比率が総数1/3以上を超える

1/3以上を保有すれば特別決議を単独で阻止できます。

(5)持株比率3%以上

株主総会の招集請求や会計帳簿の閲覧・謄写請求が可能になります。会社の会計帳簿を見たり、コピーを要求することができるので、会社の重要資料を見れる立場にあります。

経営状態が丸わかりになるため、安易に株式を渡すべきではないと言えます。

(6)持株比率1%以上

株主総会における議案提出権を持ちます。

持株を分散させるリスク

会社設立時に株式を複数人で持つ場合、均等に設定するのはあまりお勧めしません。と言うのも、全員の持ち株比率を均等に分配するということは、行使できる権利は全員同じになるからです

これは、創業メンバー同士の軋轢を生まないといったことや、会社を危険な方向に向かせない抑止力として働くメリットもあると言えますが、同時に意見が割れた場合、誰もが最終的な決定権を持っていないために会社の経営が止まってしまう怖れもあるのです

そのため、平等性だけを理由にして、持ち株比率を決めてしまうのは危険だと言えるでしょう。

実際の経営権を誰に持たせるかは創業メンバーでよく話し合って決めるべきです。

経営に関係のない人物が大株主になるのは避ける

出資のみの第三者が大株主になるのもあまりお勧めしません。

所有者と経営者が別になっているケースもありますが、社長の選定や役員報酬といった細かいルール作りなど、やることも多いので、一般的には多くありません。

会社の経営には、やはり経営に携わっている人間が行うべきです。なお、社長と株主が同一である場合、以下のようなメリットも享受できます。

メリット①:重要な場面で意思決定できる

社長が大株主である場合、経営において必要な意思決定を自由に行うことができます

前述したように持ち株数が総数の2/3以上であれば、役員報酬や定款の変更など、株主総会の特別決議で決定しなければならないような事項を、単独で決定できます。

 

メリット②:役員報酬とは別の利益を受け取ることが出来る

株を持っている社長であれば、役員報酬とは別に、株式の配当金を得られます

まとめ

ご説明した通り、会社設立時の株主構成はとても重要です。

株主構成は重要な場面でとても大きな影響力を持っているので、安易に決めずにしっかりと検討した上で決めましょう。


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執筆者紹介

眞崎 正剛
眞崎 正剛税理士法人大田原・眞﨑事務所 相模原支店 代表税理士 社会保険労務士
東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。

慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」