会社設立コラム

会社設立 した際に銀行口座は必要か?

法人口座

会社設立 を行った後、行く行くは売上の入金や支払いなどで銀行口座が必要になってきます。しかし、法人の口座は個人口座と違って、簡単に開設できるものでもありません

「それなら個人口座のままで良いのでは?」と考える方もいますが、法人口座を開設しておくべき理由がちゃんとあるのです

会社設立の際に法人の口座が必要な理由

(1)会社収入と個人収入が明確に区別できる

会社の売上が個人口座に入金されてしまうと、税務署から個人収入とみなされる可能性があります。個人分はきちんと確定申告をしていても、高額のお金の入出金が頻繁にあると、疑いをかけられてしまいます。(ケースによっては税務調査が入る場合も。)

その点、法人口座を作っておけば、会社に関するお金と個人に関するお金が明確に分けられるので、安心できます

(2)社会的信用

法人口座を作るには、いろんな書類を提出し、審査を通過しなければなりません。

よって、法人口座を持っていることは、ある程度の社会的信用を得ているということになります
逆に個人名義の口座しか持たない場合、取引先から不信感を抱かれてしまう怖れがあります。

(3)会社の財務状況が把握しやすい

法人の口座を通して支払いや振り込みを行えば、会社のお金の動きを通帳を見るだけで把握できるようになります

残高や支出項目を確認して、削減可能な支出を検討する場合にも活用できるので有利です。

個人口座で代替運用するリスク

法人口座の開設は必須ではなく、あくまで任意ですから、個人名義の銀行口座をそのまま利用しても法的な問題ありません。

しかし、個人名義口座を利用している場合、会社と私的なお金を混同しているのではないかと、取引先から不信感を抱かれる可能性があります。特に取引先が大手の場合、「法人格であっても法人口座を持たない会社とはコンプライアンス上、取引をしない」という取り決めを設けているケースもあります。

さらに、法人なのにお金の流れが個人口座しかない場合は、税務署に脱税の疑いを向けられてしまいます。税務署にとっては、金銭面で公私混同しているように見えるからです。

このように多くのデメリットがあるため、個人口座のまま経営を続けるのはやめるべきです

法人口座はいつ作れるのか

法人口座を開設できるのは、会社設立をした後、会社設立の登記完了後です。

金融機関に会社設立登記完了後に発行される会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)や銀行印、事業内容が分かる資料等を持参して口座開設の手続きを行います。

各金融機関によって必要書類や審査の基準は違いますが、個人口座開設よりは審査が厳しくなることに注意です

近年では、法人名義口座を利用した振り込め詐欺等、犯罪の多発が原因で、審査レベルも上げられているのです。そのため、事業目的が明確でない場合や、資本金が低すぎる等の場合は審査に通りません。

なお、幣事務所では、「大手メガバンク」「ネット銀行」「地域の信用金庫」のそれぞれ1つづつ口座を開設することをお勧めしています。ただし、3つ全部開設できない場合もあります。最低でも「ネット銀行」の口座1つ開設できれば何とかなります。

では、なぜこの3種類に分けて?と申しますと、ちゃんと理由はあります

大手メガバンク
お取引相手は全て、PCやスマホに精通し、そこから振り込んでくれるとは限りません。ITに弱いお取引先は、近くの銀行に出向いて振り込む方もいらっしゃいます。そのため、大手メガバンクの口座があると、お取引先の近くの同じ銀行の支店から「安い振込手数料」で振り込んでいただけるからです。

ネット銀行
これが開設に一番簡単と思われ、また、出先であってもスマホから操作もできるからです。

地域の信用金庫
創業融資を考えるならば日本政策金融公庫がファーストチョイスですが、融資金をどこに振り込んでもらうか?となりますと(公庫は口座を持ちませんので)今後の一般融資の可能性を考えて「地域の信用金庫」に口座を持つべきです。「地域の信用金庫」は営業エリアが限定されているため、中小企業へのサポートは非常に手厚いです。

口座開設までの期間

法人口座開設には審査があるので、申し込みから開設までおよそ1~2週間ほどかかります。

会社を設立してすぐに法人口座を作る場合、履歴事項全部証明書の発行に時間がかかる(およそ1週間ほど)ので、トータルで3週間はみておきましょう

法人口座がない間の取引は個人口座や個人事業時代の口座を用いて行います。

銀行口座開設に必要な書類

各金融機関によって異なりますが、以下はほぼ共通で必要となります。

  • 登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 建物の登記事項証明書
  • 法人の印鑑登録証明書
  • 代表者の身分証明書(運転免許証やパスポートなど)

上記に加えて、会社の実態を示すための資料が必要になります。例として以下が挙げられるので、できる限り用意しておきましょう。

  • 会社の定款
  • 事業内容を記した会社案内
  • ホームページ
  • 事業所の賃貸契約書
  • 事業計画書
  • 代表者の印鑑証明書
  • 法人設立届出書の控え
  • 固定電話の番号
  • 主たる事業の許認可証

まとめ

法人の銀行口座開設はあくまで任意ですが、開設しないと今後の会社経営に大きなリスクを伴います。

法人口座開設の審査は個人口座開設よりも厳しくなっていますが、しっかりと準備して、銀行口座を開設しましょう。


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執筆者紹介

眞崎 正剛
眞崎 正剛税理士眞﨑正剛事務所 社会保険労務士法人眞﨑正剛事務所
東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。

慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」