会社設立直後の経営者が最も警戒すべきリスクが、帳簿上は利益が出ているのに資金ショートを起こす「黒字倒産」です。手元の現金が尽きる原因と、相模原・町田エリアの起業家が実践すべき資金繰りの鉄則、専門家を社外CFOとして活用するメリットを解説します。
会社設立直後に陥る「黒字倒産」の罠とは?
念願の独立を果たし、相模原や町田で事業をスタート。日々の営業活動が実を結び、毎月順調に売上が上がり始めている。それなのに「なぜか口座に現金が残っていない」「月末の仕入れ代金や家賃の支払いが危ない」というご相談が、創業間もない経営者様から当事務所へ頻繁に寄せられます。
この恐ろしい現象の正体が「黒字倒産」です。損益計算書(帳簿)の上ではしっかり利益が出ているのに、手元の現金(キャッシュ)が尽きてしまい、支払いが滞って事業が継続できなくなる状態を指します。起業して1〜2年目の会社が直面する最大の危機と言っても過言ではありません。
原因は、売上が確定するタイミングと、実際に現金が入金されるタイミングの「ズレ」にあります。例えば建設業や卸売業の場合、先に高額な材料費や外注費を支払い、実際に顧客から売掛金が振り込まれるのは1〜2ヶ月後というケースが珍しくありません。飲食業であっても、クレジットカード決済の比率が高まれば、売上が現金として手元に入るまでにタイムラグが生じます。
売上が急激に伸びる時ほど、この「先行して出ていくお金」が膨らみ、あっという間に手元の現金が底をついてしまうのです。何かが起きてから慌てて銀行へ駆け込んでも、資金ショート寸前の状態では金融機関も融資を警戒します。手遅れになる前に、現金の動き(キャッシュフロー)を正確に把握し、コントロールする術を身につけておくことが、会社を長生きさせる絶対条件となります。
相模原・町田の起業家が実践すべき資金繰り3つの鉄則
黒字倒産を防ぎ、盤石な財務基盤を作るために、創業期から徹底すべき3つの鉄則をご紹介します。
1. 創業融資を活用し「手元資金」を厚く保つ
「借金は悪だ」「利息を払いたくない」と、なけなしの自己資金だけでギリギリのスタートを切るのは、実は非常に危険な賭けです。万が一の入金遅れや、備品故障などの突発的な出費に耐えられるよう、日本政策金融公庫などの創業融資を積極的に活用してください。
月間固定費(家賃、人件費、リース代など)の3〜6ヶ月分は、使わなくても手元にキャッシュとして置いておくのが鉄則。融資は「お金がなくなってから」ではなく「事業のスタートアップ時(実績がなくても事業計画で評価される時期)」が最も借りやすいタイミングです。
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2. 入金は早く、支払いは遅く(サイトの見直し)
取引先との契約段階で、支払い条件(サイト)をいかに自社に有利に設定できるかがカギを握ります。売掛金の回収はできる限り早く(例:月末締め翌月15日払い)、買掛金の支払いはできる限り遅く(例:月末締め翌々月払い)交渉する。
もちろん相手のあることですが、このサイクルを数日ずらすだけでも、資金繰りの苦しさは劇的に改善します。大企業相手で交渉が難しい場合は、初期費用だけでも着手金として前払いしてもらうなどの工夫が必要です。
3. 地域特有の融資制度や支援枠の活用
金融機関からの資金調達を考える際、地元の自治体が用意している制度を活用する視点も欠かせません。
例えば相模原市には「相模原市中小企業融資制度」があり、一定要件を満たせば信用保証料の補助が受けられるなど、通常の民間融資よりも有利な条件で資金調達が可能です。
一方で、都県境を越えた町田市で起業する場合、管轄が「神奈川県信用保証協会」ではなく「東京信用保証協会」となり、利用できる制度の枠組みや要件が変わります。海老名市や座間市でも、独自の創業支援事業による利子補給制度が設けられている時期があります。自社の所在地に合わせて最適な調達ルートを選ぶ戦略が、資金繰りを安定させる第一歩です。
税理士を「社外CFO」として活用する最大のメリット
ここまで資金繰りの重要性をお伝えしましたが、経営者ご自身が日々の営業や現場対応に追われながら、緻密なキャッシュフロー予測まで自分で行うのは現実的ではありません。そこで頼りになるのが、経営者の右腕として財務を担う「社外CFO(最高財務責任者)」の存在です。
税理士を単なる「過去の領収書をまとめる記帳代行人」「年に一回決算書を作るだけの人」として扱うのは非常にもったいないこと。毎月の試算表を分析し、「今のペースでいくと3ヶ月後に資金がいくら足りなくなるか」を正確に予測し、早めに追加融資の準備を促す。これこそが、社外CFOとしての真の価値です。手元の数字がリアルタイムで把握できていれば、強気の設備投資も、人材採用のタイミングも、自信を持って決断できます。
本業に集中するためのワンストップ支援
特に当事務所は、税理士と社会保険労務士の両方の資格を有する稀有な事務所です。企業の資金繰りを圧迫する要因には、法人税や消費税といった税金だけでなく、「毎月の社会保険料」や「労働保険料の年払い」、そして「残業代」といった労務コストが重くのしかかります。これらのお金と人の動きを切り離して考えることはできません。
JR横浜線の淵野辺駅近くに拠点を構える当事務所(相模原・町田・座間・海老名会社設立支援センター)では、税務と労務の両面から会社のキャッシュフローを立体的に把握し、完全なワンストップで経営をサポートしています。
「手元の資金が不安」「創業融資の適正額が知りたい」「資金繰り表の作り方がわからない」という方は、一人で抱え込まず、ぜひ当事務所の初回無料相談をご利用ください。事業を共に育てるパートナーとして、全力で伴走いたします。
【Q&A】資金繰り・社外CFOに関するよくある質問
事業計画や手元の資金状況によりますが、店舗の内装や設備投資など、大きなお金が動く「前」にご相談いただくのが確実です。すでにお金を使ってしまった後(事後報告)での融資引き出しは、資金使途の証明が難しくなりハードルが高くなります。
もちろんです。赤字の要因が一時的なもの(初期投資等)なのか、構造的なものなのかをプロの目で分析します。必要に応じて、金融機関へ提出する経営改善計画書の作成やリスケジュール(返済猶予)のご相談もサポートいたします。
当事務所では、大企業が雇うような専属CFOとは異なり、顧問契約の範囲内で月次決算のご報告と資金繰りアドバイスを実施しております。起業直後の規模やご予算に合わせた適切なプランをご提案しますので、まずはお気軽にご相談ください。
理想は「会社設立前」または「設立直後」です。最初の決算期が近づいてから慌てて依頼すると、節税対策や有利な届け出の期限を逃してしまっているケースが多々あります。早い段階でバックオフィス体制を整えることをお勧めします。
執筆者紹介

- 税理士眞﨑正剛事務所 社会保険労務士法人眞﨑正剛事務所
- 東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。
慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」
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