会社設立コラム

【相模原で起業】中東情勢の原材料高を乗り切る緊急融資と物価高対策

本記事の概要

中東情勢の緊迫化に伴う原材料費高騰や資金繰り悪化に直面する相模原や町田の経営者へ。即効性のある日本政策金融公庫の緊急融資やセーフティネット保証、相模原市の物価高対策の活用法を税理士が徹底解説します。

原材料費の高騰と足元の資金繰りに頭を悩ませていませんか?

「お恥ずかしい話、先月から特定の原材料の仕入価格が跳ね上がってしまい、手元のキャッシュがみるみる減っているんです……」

「会社設立してようやく軌道に乗ってきた矢先なのに、この物価高はきつすぎる。今すぐ手を打たないと次の支払いが危ない」

相模原や町田、海老名、座間周辺地域で起業されたばかりの経営者や中小企業のオーナー様から、最近このような切実なご相談をいただく機会が急激に増えています。
2026年現在、不安定なイラン・中東情勢の長期化に端を発し、原油価格だけでなく、あらゆる輸入建材、食材料、エネルギー費が高騰を続けています。

特に、会社設立から間もない創業期は、大手企業のように価格交渉力があるわけでもなく、潤沢な手元資金があるわけでもありません。特定のコスト増と手元資金の枯渇という組み合わせは、一歩間違えれば黒字倒産にも繋がりかねない非常に深刻な課題です。

しかし、経営者としてここで立ち止まっているわけにはいきません。まさに「今すぐ対応が必要」なこの難局を乗り切るためには、スピード重視の「緊急融資」で当面のキャッシュを確保しつつ、コストを長期的に吸収するための「補助金・支援金」を切り分けて、国や自治体の制度をフル活用していくのが最も確実な戦略です。

今回は、地域に根ざした税理士・社会保険労務士の視点から、今まさに動いている具体的な解決策をお届けします。

1. 直近の支払い資金を確保する!スピード重視の「緊急融資」

まずは目先のキャッシュアウトを乗り切り、会社の血流である資金を止めないことが最優先です。通常の融資審査ルートでは数ヶ月かかってしまうこともありますが、今回の情勢不安に伴うコスト高騰に対しては、審査が優先・緩和される特別なセーフティネットが用意されています。

日本政策金融公庫:セーフティネット貸付(中東情勢枠)

政府系金融機関である日本政策金融公庫では、2026年4月から、中東情勢緊迫化の影響を受ける事業者向けに融資要件を大幅に拡大しています。(※参照

「特定の原材料コストが増加し、利益を圧迫している」という影響をしっかりと書面で示せば、基準利率からさらに引き下げられた特別利率での借入が可能です。公庫は信用保証協会を通さない「直接融資」がメインであるため、民間金融機関を挟むよりも審査から着金までのスピードが非常に速いのが最大の特徴です。

信用保証協会:セーフティネット保証5号(原油高等要件の活用)

地元の地方銀行や信用金庫から民間融資を引き出す場合は、信用保証協会の「セーフティネット保証5号」を活用します。

■関連記事:【相模原で起業】公庫と信用金庫の「協調融資」メリットと成功のコツ 

多くの方は「売上が減少していないと使えないのでは?」と思われがちですが、実は売上減少を理由とする通常の5号認定とは異なり、原材料高に特化した「原油高等要件」が存在します。以下の条件に当てはまる場合、一般の保証枠とは別枠で80%の信用保証が受けられるため、融資のハードルが格段に下がります。

  • 最近1か月の売上原価のうち、高騰している原材料の仕入額が20%以上を占めている。
  • その原材料の平均仕入単価が、前年同月比で20%以上上昇している。
  • 売上高に占めるその原材料の仕入額の割合が、前年同期を上回っている。

 

【実務上の注意点】早期着金のカギは「スピード感のある正確な数字」

これら緊急融資を成功させる最大のポイントは、「いかに早く正確な数字を出せるか」に尽きます。金融機関の担当者に対して、「これは一過性のコスト増による、一時的な資金ショートであり、融資による支援があれば十分に立て直せる」ということを数字で証明しなければなりません。当事務所が推奨しているクラウド会計ソフト「freee」などを日頃から導入していれば、直近の試算表や、向こう数ヶ月の資金繰り予測表を即座に出力することができます。リアルタイムな経営数字をすぐに出せる体制を作っておくことが、命運を分けます。

2. 特定の原材料費の高騰を吸収する!「補助金・支援金」の二の矢

創業融資や追加融資で手元資金を守るのと同時に、高騰したコスト分をどこかで相殺しなければ、ジリ貧になってしまいます。国や自治体の制度において「原材料の購入費そのもの」を直接補填してくれる補助金は稀ですが、「業務の効率化」や「固定費削減」によって、高騰したコストを間接的に吸収するための強力な制度が動いています。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金・2026年度版)

原材料費そのものを削ることが難しいのであれば、バックオフィスの工数や人件費などの「他の固定費」を徹底的に削るアプローチが効果的です。2026年度から名称が変わり、AIやデジタルツールの導入による業務効率化への補助が強化されています。これまで手作業で行っていた受発注や在庫管理、顧客管理などをデジタル化・AI化することで、経営資源をより付加価値の高い営業活動へと集中させ、物価高に負けない強い体質を作ることができます。

【相模原市の事例】業種特化型の物価高騰対策支援金

国だけでなく、私たちが活動する地元の自治体レベルでも、特定の業種に絞った直接的な支援金が出ているケースを見逃してはいけません。例えば相模原市では先日(2026年5月1日〜6月8日)まで、「高齢・障害者施設等物価高騰対策支援事業」として、食材料費等の高騰の影響を受ける施設へ定額(1施設32万円等)の支援金公募が行われていました。

このような業種特化型の支援金は、医療・福祉、あるいは運輸業や飲食業など、影響を受けやすい業種を対象に、神奈川県や各市町村(町田市、海老名市、座間市など)でピンポイントに公募が始まりますが、「公募期間が約1ヶ月間と非常に短い」のが特徴です。気付いた時には手遅れにならないよう、アンテナを常に高く張っておく価値があります。

一人で悩まず、まずは専門家へご相談を

イラン・中東情勢という、自社ではコントロールできない外部要因によって資金繰りが脅かされるのは、経営者として非常に歯がゆいものです。しかし、公庫のセーフティネット貸付や保証協会の特例措置を正しく使い、さらにクラウド会計による素早い数値管理を取り入れることで、この荒波は必ず乗り越えられます。

何かが起きてから対応するとなると、手遅れになってしまうこともあります。「うちの会社はセーフティネットの要件に該当するのだろうか?」「公庫や保証協会に出すための資金繰り予定表、何から手を付ければいいかわからない……」そんな不安を抱えたら、まずは一人で悩まずに、当センター(相模原・町田・座間・海老名会社設立支援センター)へお気軽にご相談ください。

■関連記事:【町田・相模原で起業】審査に通る創業融資の事業計画書4つのポイント 

当事務所は、相模原・町田エリアの金融機関と確かなネットワークを持ち、事業計画書の作成から面談のサポートまで、あなたの「社外CFO(最高財務責任者)」として伴走いたします。資金繰りや起業手続きでお悩みの方は、ぜひ当事務所の初回無料相談をご利用ください。

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知っておきたい!物価高騰・資金繰りに関するQ&A

会社設立1年目で、前年の仕入実績(前年同月比)がありません。セーフティネット保証5号の「原油高等要件」は使えないのでしょうか?

創業間もない企業様の場合、前年同月比が確認できないため一見使えないように思えますが、救済措置(業歴3ヶ月以上1年未満の事業者向けの運用緩和)が用意されています。前年同期ではなく「直近3ヶ月の平均仕入額」や「直近の特定の月」と比較するなど、計算方法が緩和されますので、諦めずにまずは当事務所や地元の市町村の窓口へご確認ください。

日本政策金融公庫の「セーフティネット貸付」を申し込む際、税理士が入るメリットは何ですか?

公庫の審査では、提出する試算表や資金繰り表の「正確性」と「根拠」が厳しく見られます。税理士が関与して作成した数字はそれだけで客観的な信頼性が高まり、審査がスムーズに進む傾向があります。また、中東情勢の影響をどのように事業計画書に落とし込むかというロジック作りもプロの視点でサポートできるため、着金までのスピードが速くなります。

原材料費を吸収するために、デジタル化・AI導入補助金を使いたいのですが、手続きは難しいですか?

自社だけで申請しようとすると、事業計画の作成や「GビズID」の取得、システムの選定など、創業期の忙しい経営者様にとっては負担が大きいかもしれません。当事務所では、クラウド会計をはじめとするIT導入に関わるシステム選定のアドバイスから申請サポートまでワンストップで対応可能です。まずは「どの固定費を削りたいか」をご相談ください。

相模原市以外の町田市や海老名市、座間市でも、独自の物価高騰支援金はありますか?

はい、各自治体ごとに予算の枠組みに応じて、不定期かつピンポイントで支援金やプレミアム付商品券の発行、融資の利子補給制度などが実施されています。これらは国一律の補助金と違って公募期間が「1ヶ月間だけ」など非常に短いケースが多いため、当センターでは周辺自治体の最新動向を常にウォッチし、顧問先様へタイムリーにご案内しています。

執筆者紹介

眞崎 正剛
眞崎 正剛税理士眞﨑正剛事務所 社会保険労務士法人眞﨑正剛事務所
東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。

慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」