創業融資の審査で最も重視されるのが「自己資金」です。自己資金は起業への本気度を示すバロメーターであり、不自然な「見せ金」やタンス預金は絶対にNG。確実に融資を引き出すための正しい準備方法と、資金不足を補う対策を税理士が解説します。
創業融資の審査において「自己資金」はなぜ重要なのか?
会社員から独立して相模原や海老名、座間周辺で起業しようと決意した際、多くの方が直面するのが「資金繰り」の不安です。店舗の内装工事、設備の購入、当面の運転資金など、起業にはまとまったお金が必要です。
そこで「日本政策金融公庫」の創業融資などを検討することになりますが、融資の審査において金融機関が最も厳しくチェックする項目のひとつが「自己資金」です。自己資金とは、起業のためにご自身でコツコツと貯めてきたお金のことです。
以前まで利用されていた日本政策金融公庫の「新創業融資制度」では、要件として「創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できること」と定められていました。しかし、令和6年(2024年)に同制度は「新規開業資金(新規開業・スタートアップ支援資金)」に統合され、形式上の自己資金要件は撤廃されています。
「それでは自己資金ゼロでも借りられるのか?」といえば、そうではありません。実務上の注意点として、実際の現場では依然として自己資金の有無や金額が厳しく審査されます。少なくとも必要資金の「3分の1」程度は自己資金として準備しておくのが、融資をスムーズに引き出すための安全圏と言えます。金融機関は、自己資金の額を単なる手持ち資金としてではなく、「起業に対する本気度」や「計画性」を測る最大のバロメーターとして評価するからです。
審査で認められる自己資金と、NGとなる「見せ金」の違い
では、銀行口座にお金が入っていれば何でも自己資金として認められるのでしょうか?答えは「NO」です。
審査で認められる自己資金の要件(通帳の履歴が命)
金融機関の面談では、過去半年間(場合によっては1年間)の「預金通帳の原本」の提示を求められます。毎月の給与から少しずつ貯蓄している履歴や、定期預金、退職金など、「出処が明確で、返済の義務がないご自身のお金」であることが通帳の履歴から確認できて初めて、自己資金として認定されます。
絶対にNG!「見せ金」や「タンス預金」のリスク
最もやってはいけないのが「見せ金(みせがね)」です。融資の審査の直前になって、知人から一時的にお金を借りて口座に大きな金額を振り込み、あたかも自分の資金のように見せかける行為です。通帳の履歴を見れば、不自然な入金はすぐにプロの審査担当者に見破られます。「見せ金」と判断された場合、融資は一発で否決されるだけでなく、金融機関のブラックリストに乗り、二度と融資を受けられなくなるという重大なリスクがあります。
また、「毎月現金で引き出してタンス預金で300万円貯めました」という主張も、お金の出処が証明できないため、基本的には自己資金として認められません。現金で貯めている方は、今すぐ通帳に入金し、これからは口座内で管理するようにしてください。
自己資金が足りない場合の対策と、相模原・海老名・座間エリアの支援制度
「起業したいが、どうしても自己資金が足りない」という場合でも、諦める必要はありません。正しい対策はいくつかあります。
- 親族からの支援(贈与):
親や兄弟からの資金援助は、返済義務のない「贈与」であることが明確であれば自己資金に含めることができます。この場合、手渡しではなく必ず銀行振込にしてもらい、必要であれば贈与契約書を作成して出処を証明できるようにします。 - みなし自己資金の活用:
会社設立前にすでに事業のために支払った経費(機材の購入費や、店舗の保証金など)は、領収書が残っていれば「みなし自己資金」として計算に含めることができます。 - 地域の創業支援制度の活用:
相模原市、海老名市、座間市などの各自治体が行っている「特定創業支援等事業」の認定を受けることで、信用保証協会の保証枠が拡充されたり、登録免許税が半額になったりする優遇措置を受けられます。これにより資金計画に余裕を持たせることが可能です。
■関連記事:【相模原で会社設立】登録免許税が半額!特定創業支援等事業と融資
融資成功の鍵は準備から!税理士のサポートを活用しよう
創業融資は、起業家の将来を左右する重要なイベントです。しかし、自己資金の準備や事業計画書の作成など、初めて起業する方にとってはハードルが高いのも事実です。
当事務所は、相模原・海老名・座間・町田エリアを中心に、多くの起業家の資金調達支援を行ってまいりました。融資を通すための自己資金の見せ方、無理のない返済計画の立て方など、実態に即した実践的なアドバイスをご提供いたします。起業・会社設立時の不安解消しませんか?一人で悩まず、ぜひ当事務所の初回無料相談をご利用ください。
■関連記事:【町田・相模原で起業】審査に通る創業融資の事業計画書4つのポイント
【Q&A】創業融資と自己資金に関するよくある質問
はい、配偶者名義の口座の預金であっても、家計を共にしているお金であれば自己資金として認められるケースが一般的です。面談時には配偶者の方の通帳原本も持参してください。
過去の返済に遅れがなく、現在も計画的に返済できていれば絶対に不可能というわけではありません。しかし、審査においてマイナス評価になることは確実です。可能な限り起業前に完済しておくことを強くおすすめします。
はい、自己資金として認められます。現在解約した場合にいくら戻ってくるかが分かる書類(解約返戻金証明書など)を保険会社から取り寄せておく必要があります。
日本政策金融公庫の場合、申し込みから面談、審査を経て、実際に口座にお金が振り込まれるまで「約1ヶ月〜1.5ヶ月」かかるのが一般的です。店舗の契約などで支払い期限がある場合は、早めの準備が不可欠です。
執筆者紹介

- 税理士眞﨑正剛事務所 社会保険労務士法人眞﨑正剛事務所
- 東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。
慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」
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