会社設立コラム

会社設立後「法人口座」の審査落ちを防ぐ3つの開設対策

本記事の概要

会社設立の手続きを終え、いざ事業をスタートしようとした矢先に「法人口座が開設できない」という壁に直面する起業家が急増しています。本記事では、審査が厳格化している背景から、審査落ちを防ぐ3つのポイント、創業融資の活用による解決策まで税理士が徹底解説します。

会社設立直後に「法人口座」が作れない?審査基準の現状

相模原や町田周辺で起業し、無事に登記も完了。あとは銀行口座を作るだけ……と窓口へ向かったものの、開設を断られてしまったというご相談が当事務所にも数多く寄せられます。

ひと昔前であれば比較的スムーズに法人口座を作れましたが、現在は金融機関が「犯罪収益移転防止法」に基づき厳格な確認を行っています。法人の名称や本店所在地、取引目的、事業内容、実質的支配者まで詳細にチェックされます。

実績のない新設法人は「実態のある会社か」「犯罪リスクはないか」と慎重に審査され、準備不足で申し込んで足止めを食らうと、当面の資金繰りにも悪影響を及ぼしかねません。手遅れになる前に正しい知識を持っておくことが不可欠です。

■関連記事:会社設立した際に銀行口座は必要か?
■参照ページ:法人口座開設に係る取引時確認について:金融庁

審査落ちを防ぐ!法人口座開設に必要な3つのチェックポイント

金融機関に対して「真っ当に事業を行っている」という客観的な実態を証明するために、押さえておくべき3つのポイントを解説します。

1.「事業の実態証明」となる客観的資料の準備

登記事項証明書や定款等の基本資料だけでは事業内容が不透明とされ、追加資料を求められることが多々あります。自社のホームページやパンフレットだけでなく、客観的な取引の証拠となる契約書、発注書、請求書の控え、許認可証などを準備しておきましょう。取引実績がない場合は、収支見込みやターゲット層をまとめた事業計画書を提出することで、事業内容を確認してもらいやすくなります。

2.活動拠点と連絡先に関する追加確認への備え

初期費用を抑えるためにバーチャルオフィスを利用したり、携帯電話の番号のみで事業をスタートする起業家も増えています。これだけで直ちに否決されるわけではありません。ただし、実際の活動拠点について詳しい追加確認を受ける可能性があります。業務スペースの賃貸借契約書を用意したり、メイン拠点がどこにあり、どのような形で顧客とやり取りしているのか明確に説明できる状態にしておくことが大切です。

3.事業計画と整合性のある「資本金」の設定

現在は株式会社や合同会社は資本金1円からでも設立が可能です。
とはいえ、極端に少ない資本金では事業を継続する体力に疑問を持たれる懸念があります。大切なのは、事業計画と整合する資本金を設定することです。初期投資に加え、月間固定費、売上が入金されるまでの期間を考慮した運転資金を積算します。「初期費用150万円、入金までの3ヶ月間の固定費90万円のため、自己資金と合わせて250万円を用意した」と論理的に説明できれば、資金計画の堅実さを評価してもらいやすくなります。

法人口座と「創業融資」の関係性

起業時の資金繰りを安定させるため、日本政策金融公庫や信用保証協会付きの創業融資を活用される方は多いですよね。融資を申し込む際には、緻密な事業計画書の提出と面談をクリアする必要があります。

相模原や町田エリアを地盤とする地方銀行や信用金庫へアプローチする場合、融資と口座開設の相談を同時に持ちかけると、事業内容をまとめて説明できる場合があります。担当者と深く対話でき、会社の実態を理解してもらいやすい環境を作れるのはメリットです。ただし、融資審査と口座開設の審査はまったく別の手続きです。融資の承認が口座開設を保証するものではありません。それぞれ独立した厳格な審査があることを認識し、油断せずに準備を進めましょう。

■関連記事:【町田・相模原で起業】審査に通る創業融資の事業計画書4つのポイント

自社に合った金融機関の選び方とワンストップ支援

法人口座を開設する金融機関は、自社のビジネスモデルに合わせて選ぶことが重要です。「ネット銀行は審査が早い」「メガバンクが最も厳しい」と単純に一括りにはできません。メガバンクであっても最短翌営業日での開設を掲げる新設法人向け口座が存在します。審査期間、提出書類、振込手数料、将来的な融資相談の必要性などを総合的に比較して最適な申込先を検討してください。

当事務所は「地方に元気な企業を増やし、地域で永続する企業をサポートする」という理念のもと、相模原・町田エリアを中心に、会社設立の手続き代行から創業融資の面談サポートまで、税務と労務の両面からワンストップで対応しております。設立後のクラウド会計ソフト(freeeなど)と法人口座の連携設定など、バックオフィスの効率化もお任せください。起業・会社設立時の不安解消しませんか?一人で悩まず、まずは当事務所の初回無料相談をご利用ください

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【Q&A】法人口座開設に関するよくある質問

設立直後で契約書や請求書がない場合、何を提出すればよいですか?

金融機関によっては、具体的な事業内容、顧客、料金、収支見込みを記載した事業計画書や会社案内を受け付けています。必要書類は申込先ごとに事前に確認してください。

バーチャルオフィスでも法人口座を開設できますか?

住所形態だけで開設可否が決まるわけではありませんが、活動拠点や事業実態について追加資料を求められる場合があります。契約書や事業計画書などを準備しましょう。

資本金はいくらなら法人口座の審査に通りますか?

一律の合格基準は公表されていません。金額だけでなく、初期費用や運転資金を積算した結果として、資本金と事業計画に整合性があることが重要です。

複数の銀行へ同時に申し込んでも問題ありませんか?

必要な口座の用途を整理したうえで複数行を比較することは可能です。ただし、各行に取引目的を正確に説明し、短期間に無計画な申込みを重ねることは避けましょう。

もし口座開設の審査に落ちてしまったらどうすればいいですか?

再申込みの可否や審査基準は金融機関ごとに異なります。不足資料や申込内容を見直し、再申込みの可否を金融機関へ確認するようにしてください。

執筆者紹介

眞崎 正剛
眞崎 正剛税理士眞﨑正剛事務所 社会保険労務士法人眞﨑正剛事務所
東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。

慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」