会社設立コラム

創業融資 獲得に税理士のサポートが必要な理由とは

税理士

創業時の資金調達として、まず検討すべきは、日本政策金融公庫からの融資です。

日本政策金融公庫は公的な金融機関であり、実績のない法人や個人にも積極的に融資を行なっているからです。また、民間の金融機関よりも低金利で融資を受けられるメリットもあります。

日本政策金融公庫も無条件で融資をするわけではありません。応援する価値のある方、返済の見込みがある方にしか融資はしないのです。

そのため、公庫の融資審査であっても実際の成功率は5割程度とも言われており、半分の方が落ちているのです

創業融資は報酬を払っても税理士に相談するのがいい

創業融資を受けるのであれば、報酬がかかっても、税理士にサポートを依頼するのがお勧めです。
主な理由として以下があるからです。

  • 創業融資成功率が大幅に上がる
  • 書類作成をサポートしてくれる
  • 事業の問題点を指摘してくれる

ご自身で申請して、審査に通る確率は前述したものよりも更に低くなります。(30〜40%程度と言われています。)

主な理由としては、創業計画書の完成度や面談の対応不足です。

経験のない方は創業計画書の作成方法がわからず、具体的な数字を用いて根拠を示すことに、限界があります。また面談時の質問が想定できないので、的確に答えられないことも多くあります。

その点、実績のある税理士であれば、充実した計画書の作成が可能ですし、面談の対策も考えてくれます。

実際に、税理士のサポートを受けた場合には創業融資成功率は2・3倍程上がります。創業融資は審査に失敗してしまうとやり直しが効かないので、税理士を頼ったほうが得策と言えます。

もし、融資を得られなければ、既に準備を始められていた方は予定通りに事業をスタートできません。

低金利で融資を受けられる可能性がある

日本政策金融公庫において、「中小企業経営力強化資金」を利用する際、借入希望者と認定支援機関が協力して「事業計画書」を作成して融資を受けると低金利となるからです。

認定支援機関である税理士の作成書類は、信頼性が高く、返済率も上がると判断されるので、優遇された金利になるのです。

しかし、認定を受けた税理士でなければ低い金利にはなりません。

融資獲得に失敗した場合

日本政策金融公庫の創業融資は、審査に落ちてしまうと、およそ半年は融資が通りにくいとされています

落ちるには原因があり、その原因を改善するには期間が必要だからです。

一度断られてしまうと、融資が通らなかった履歴が残り、その後の申請にも、履歴を確認されてしまいます。

逆に言えば、審査に落ちた原因を改善することができれば融資を受けるチャンスはあります。一度断られたからといって諦める必要もありません。

税理士への報酬はいくら

(1)成功報酬

創業融資の成功に応じて報酬を払います。報酬相場は融資額の2~4%程度。

融資に失敗した場合には報酬は発生しないので、リスクを抑えることが可能です。

起業時に無駄な支出をできる限り抑えたい方にお勧めです。

(2)非成功報酬

創業計画書の作成、その他書類作成、面談サポートなどの、業務ごとに単価を設定している税理士事務所もあります。

単価は事務所ごとに変わります。

創業融資において、創業計画書だけ税理士に作成してもらいたいという方にお勧めです。

必要な業務のみを依頼することで、全体費用を抑えることもできます。

(3)無料

サポートを無料でする代わりに、顧問契約を締結してもらう等の条件があります。

顧問料を毎月支払っていく必要がありますが、創業融資後も定期的な融資サポートや決算業務を依頼できることを考えれば、顧問契約を締結してしまっても問題ありません。

創業融資に強い税理士を見分ける3つのポイント

(1)認定支援機関かどうか

認定支援機関正式には「認定経営革新等支援機関」と言います。これは国内の中小企業や個人を支援するための専門的知識が一定レベルに達していると、国から認められている機関です。

税理士を選ぶ際のポイントとして。押さえておきましょう。

前述したように公庫の「中小企業経営力強化資金」は、認定支援機関による計画書作成サポートが条件となっています。

(2) 融資の実績

過去に何件の融資をサポートしてきたのか、どれくらいの頻度で行っているのか確認しましょう。

また得意にしている業種も確認しましょう。

(3)融資担当者とのパイプ

実績の多い税理士の場合融資サポートをこなすと、その分融資担当者と顔を合わせることも多く、顔見知りになります。人脈が広いのは、強力な武器を持っていることです。

融資担当者とのパイプをもつ税理士であれば、計画書のどこを重要視しているか、面談の際のアピールポイントなど、審査通過に有力な情報を持っています。

まとめ

税理士に創業融資サポートを依頼することで、審査を通過する確率は上がります。

もちろん、報酬はかかってしまいますが、融資に落ちてしまう方がリスクは高いため、万全を期すためにもサポートを受けた方が良いでしょう。


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執筆者紹介

眞崎 正剛
眞崎 正剛税理士眞﨑正剛事務所 社会保険労務士法人眞﨑正剛事務所
東京都町田市生まれ、神奈川県相模原市在住。

慶應義塾大学商学部卒
大学卒業後、東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)勤務を経て
平成27年独立開業。
相模原地域を中心に、多くの企業の会社設立を支援。多数の講演実績。
出版書籍に
「会社と家族を守る事業の引き継ぎ方と資産の残し方ポイント46」